美容室の売上はいくらが理想?適切な目標設定と安定収益のポイント      

美容室の売上はいくらが理想?
適切な目標設定と安定収益のポイント

POSシステム

事業経営において最も優先度が高い課題は「売上アップ」ではないでしょうか。

事業を安定・拡大させるためには、どのように売上を作るか、利益を増やすかを常に考えることが重要です。

今回は、美容室の開業を計画している人に向けて、美容室の売上の現状について、美容室の売上アップの方法、利益アップの方法について解説します。

美容室の平均的な売上額ってどれくらい?


美容室の売上目安は規模・立地・スタッフ数・メニュー価格によって大きく異なりますが、一般的に次のようなモデルが多く見られます。

サロンの規模 客単価の目安 1日あたり来店客数 平均月商の目安
一人サロン・小規模 約6,000円 約8〜10名 約50〜70万円前後
スタッフあり・中規模 7,000〜10,000円 平日 約10名
休日 約14名
約165万円前後

ただし、美容室の売上額は、立地や面積、施術メニューの料金、従業員を雇っているかどうかなど、美容室の経営スタイルによって変わります。

「平均的」という切り口で売上額を考えるのではなく、自分が出店するお店の条件から売上額を計算するのが良いでしょう。美容室における「売上」は、施術メニューの単価と来店客数から構成されます。売上の基本構造式は以下の通りです。

売上高 = 客単価 ✕ 客数

客単価は自店の施術メニューからおおよその値を算出し、客数は自店で対応可能な従業員1人あたりの施術人数を基準に計算してください。1日あたりの売上高を算出したら、営業日数をかければ月間の売上高が計算できます。

例)客単価6,000円、1日の施術客数10人(従業員2名)、月間の営業日数22日の場合
1日の売上高 = 6,000円 ✕ 10人 = 60,000円
月間売上高 = 60,000円 ✕ 22日 = 1,320,000円

ただし、美容室の開業や経営計画を立てる際に重要なのは適切な利益の確保です。売上が高くても、月間で発生する経費を差し引いた後の利益が残らなければ経営の継続が難しくなります。そのため、月間売上高から家賃、水道光熱費、人件費などの固定費を引いた後、十分な利益が残るかどうかを慎重に検討する必要があります。

美容師1人に対して50~60万円が目安

美容師1人で美容室を経営している場合、月間の売上はどのくらいになるのでしょうか。

例)客単価6,000円、1日の施術客数5人、月間の営業日数20日(週5日勤務✕4週)
1日の売上高 = 6,000円 ✕ 5人 = 30,000円
月間売上高 = 30,000円 ✕ 20日 = 600,000円

経営している美容室の条件によって金額は変動しますが、おおよそ600,000円が美容師1人あたりの月間売上の目安になります。

客単価は上昇傾向にある

近年、美容室の客単価は上昇傾向にあります。

株式会社リクルートが行った調査結果は以下の通りです。



参考:美容センサス2024年上期<美容室・利用室編>│ホットペッパービューティーアカデミー

「美容室」1回あたりの利用料金(平均)を2024年と2020年で比べると、女性は+601円(+8.7%)、男性は+431円(+10.0%)増加しています。特に女性の場合、利用金額10,001円以上の構成比が最も伸びているため、カット以外のメニュー(カラー、トリートメント、ヘッドスパ)の利用者が増加傾向にあると言えます。

美容室の売上アップにつなげる6つの施策


美容室の客単価は上昇傾向にあるため、追い風であると言えます。しかしながら、美容室の数は年々増えているため、競争もますます激しくなっているのが現状です。

美容所施設数の推移

年度 施設数 前年差異
令和4年度 269,889 +5,666
令和3年度 264,233 +6,333
令和2年度 257,890 +3,468
令和元年 254,422 +3,282
平成30年度 251,140

参考:令和4年度衛生行政報告例の概況 生活衛生関係│厚生労働省

安定した売上を維持しつつ、さらなる成長を目指すためには、効果的な売上対策が重要です。それには「客単価」を向上させ「施術客数」を増やす必要があります。具体的にどんな売上対策があるのかを以下で紹介しますので、参考にしてください。

リピーターの獲得

美容室経営ではリピーターの獲得が重要です。

新規顧客を獲得するには、広告やキャンペーンなど多くのコストがかかりますが、既存顧客の再来店はその約5分の1のコストで実現できると言われています。

また、リピート率が上がることで来店頻度が安定し、毎月の売上が読みやすくなるだけでなく、利益率も改善します。実際に顧客離れを5%防ぐだけで利益が25%伸びるという「5:25の法則」が知られています。リピーターは来店を重ねるごとに客単価が上がる傾向があり、信頼関係が深まることで店販購入や高単価メニューへの移行も期待できます。

また、満足度の高いリピーターは口コミや紹介を通じて新規客の呼び込みにも貢献してくれるため、集客コストを下げながら売上を拡大する好循環が生まれます。

セットメニューの導入で客単価を上げる

美容室の客単価を上げる方法として、セットメニューの提案があります。

カット、ヘアカラー、トリートメント、パーマなど、施術メニューを単品で提案するのではなく「カット + カラー」「カラー + トリートメント」のように、単品メニューを組み合わせてセットメニューとして提案します。
セットメニューをオーダーしてもらえば、客単価が確実に向上するのが店舗のメリットです。お客様としては、施術の合計金額がひと目で確認できるので、メニューを選びやすくなります。

インターネットを使って販促をしている場合は、セットメニューをおすすめのメニューとして訴求するなど、お客様に選んでもらうための導線を設計するようにしましょう。

店販に力を入れる

シャンプーやトリートメントなどの商品を販売して客単価を上げるという方法もあります。

施術で使用するシャンプーやトリートメントを美容室内で購入できるようにすれば、それを気に入ったお客様がすぐ購入できるので、単価アップ+お客様満足度の向上にも繋がります。店内で使ってもらうだけでは、商品の良さが伝わらない場合がありますので、接客時に商品の良さを伝えるトークを準備しておくことが大切です。

店舗のWebサイトやSNSから商品を購入できるようにしておくと、美容室の営業時間外でも売上を立てられるので、収益の柱を増やせます。

営業日を増やす

営業日を増やすという方法でも、美容室の売上は向上します。

1日あたりの平均売上が60,000円の店舗が、月間の営業日を3日増やした場合、月間売上は180,000円増える計算になります。美容室が営業日を増やすことで、お客様は来店日を選びやすくなりますので、新規顧客の獲得やお客様満足度の向上にも繋がります。

注意点として、営業日を増やす=月間の就業時間が増えることが挙げられます。従業員を雇っている場合は、シフトによって勤務時間を管理し、ワークライフバランスにも気をつけながら勤務してもらいましょう。

関連記事:美容室の定休日を見直そう!月・火曜日以外の選択肢で人材確保と売上アップ

Web集客の強化

美容室の集客力を安定させるためには、SNS・自社サイト・Googleビジネスプロフィールを活用したWeb集客基盤の整備が欠かせません。

SNSはリアルタイムで情報を発信でき、新規顧客の獲得やファンづくりに有効ですが、フォロワーが増えるまでに時間がかかります。また、自社サイトはSEO対策によって検索流入を得るまでに一定の期間を要するため、中長期的な集客施策として位置づけるのが適切です。

そのため、これらと並行してホットペッパービューティーなどのポータルサイトも活用し、情報を常に最新に保ち、写真やメニュー内容を充実させましょう。短期的な集客を確保しつつ、SNSやWebサイトで中長期的な顧客基盤を築くことができます。さらに、Googleビジネスプロフィールでは口コミへの返信や写真投稿をこまめに行い、自社サイトではSEO最適化や予約ボタンの導線設計を進めることで、検索から予約までのハードルを下げ、広告費に頼らない安定的な集客を実現できます。
関連記事:美容室の集客は何が効果的?新規顧客獲得とリピーター増加の方法を紹介

売上管理・数値分析による改善サイクル

美容室の売上アップには、データに基づく現状把握と改善サイクルの実践が欠かせません。

売上を「客単価×来店数×来店頻度」に分解し、どの要素に課題があるかを分析します。そのためには、POSレジや予約管理システムでメニュー別売上やスタッフ別売上を取得し、曜日・時間帯ごとの傾向を把握することが大切です。このデータをもとに、低稼働時間帯にキャンペーンを実施するなど具体策が立てられます。

また、月次でKPIを確認し、仮説→施策→検証のPDCAを回すことで、再来店率や客単価を徐々に改善可能です。さらに人件費比率や一人当たり売上など生産性指標も管理し、利益を残す仕組みを作ることが経営の安定につながります。

サロエボ

収益を増やすには業務効率化も大切


事業経営においては「利益」が最も重要な指標になります。いくら売上が上がっても、利益が残らなければ事業を維持できません。

店舗においては、業務効率の改善が利益拡大につながります。ここでは、美容室における業務効率改善の方法をご紹介します。

スキルを高めて施術の効率を高める

スキルを高めて施術を効率化し、回転率を上げることで店舗の利益アップが実現できます。

施術のスピートが上がれば、営業時間中に接客できる人数が増えるため、1日の人件費に対する利益率が向上します。もちろん、仕事のスピードを上げることばかりに気を取られ、施術のクオリティが下がってしまうことはNGです。

お客様が満足するサービスを提供しながら、基本動作のスピードアップ、同時進行でできる作業の整理、ミスを発生させないといったことに気をつけて、作業効率を上げましょう。

適切なシフト管理で美容師の待ち時間を減らす

利益アップのためには、適切なシフト管理で美容師の待ち時間を減らすことも重要です。

繁忙期と閑散期では、1日あたりの来店客数も変わります。来店客数を加味せずに従業員のシフトを作成してしまうと、無駄な待ち時間が発生します。適切なシフト管理には、数値やデータが必要になるので、システムを導入するのがおすすめです。

年間の売上推移、予約状況や来店客数などのデータ化・数値化が自動で実施されるため、自店舗のデータを参照して適切なシフト組みができます。ただし、シフトの効率化とは言っても、従業員の勤務時間や勤務日数を過度に削減することはNGです。空き時間には教育を実施して、店舗全体のスキルアップを行いましょう。

リマインドメールでキャンセルを減らす

美容室の利益アップを実現するためには、リマインドメールでキャンセル件数を削減することが必要です。

予約キャンセルが発生すると、本来あるべきはずの売上がなくなるため、売上を守るためにキャンセル対策は重要になります。予約日の前日、3日前、1週間前などのタイミングでリマインドメールを送信すれば、お客様の予約日忘れを防止できるので、無断キャンセルを削減できます。

また、リマインドメールに予約日時の変更リンクを記載しておけば、お客様が予定変更をしたくなった際にタイムリーに予約変更できるため、お客様の利便性向上とキャンセル防止が同時に実現できます。リマインドメールは便利なツールですが、頻繁に送信するとお客様の負担になり、お店の印象を損ねるおそれがありますので、使い方には注意してください。

施術以外の業務を効率化する

施術以外の業務をどれだけ効率化できるかで、美容室の利益は大きく変わります。

美容室の業務は、予約管理、顧客情報管理、売上管理・分析、販促など、多岐にわたります。それらの作業を手作業で行うのは時間がかかる上、従業員を雇っている場合は作業を教える時間が必要になるため、システムを導入して効率化していきましょう。システム化によって生まれた時間を接客に回すことができれば、より丁寧で満足度の高いサービスの提供が可能になります。

お客様の満足度が高まることでリピート率が向上し、結果として売上の増加につながります。電子システムはサービス提供会社によって、契約金の有無、月額使用料、サービス内容が異なります。自店舗のビジネス規模に合わせて、適切な機能、金額のサービスを選んで契約しましょう。

サロエボで実現する美容室の業務効率化と売上アップ


美容室の業務効率化と売上アップを実現する方法の1つとして、POSシステムの導入が挙げられます。

施術以外の美容室業務は多岐にわたりますが、それら全てを手作業で行うと手間がかかりますし、時にはミスも発生するでしょう。POSシステムなら、業務を自動で正確に行えるため、店舗の業務効率は確実に向上します。

また、業務をPOSシステムに任せた分の時間を施術に充てることができるため、接客可能な人数が増え売上アップが実現できます。数ある電子システムの中でも、特におすすめなのが「サロエボ」です。

サロエボは、美容室などのサロン運営に特化したPOSシステムのため、美容室運営に必要な機能が一通り揃っています。

サロエボで何ができるのか、具体的な内容を以下で解説します。

売上データの一元管理で集計作業を効率化

「サロエボ」は、POSレジで会計した情報をデータ化し、売上管理、在庫管理、顧客管理など美容室経営に必要な数値をまとめて一元管理できます。

手間がかかる集計作業やデータ化をシステムが行ってくれるので、施術や売上対策を考える時間をしっかりと確保できるようになります。会計情報の集計・データ化の機能の他に、来店予測分析やABC分析など美容室経営に役立つ機能を搭載しているので、美容室の売上アップが実現できます。

予約日前日の確認メールで来店忘れを防ぐ

「サロエボ」は、様々な予約チャネルからの予約をとりまとめる一元管理システムの「かんざし」と連携が可能です。

Webページ、ポータルサイト、LINE、Instagramなどから受け付けた予約を一元管理し、店舗の設定に合わせて、予約日時のリマインドメールを自動で送信します。予約キャンセルの対策として、リメインドメールが効果的ですが、予約日時に合わせてお客様一人ひとりに手作業で連絡するのは時間がかかります。加えて、メールの送信漏れが起きるかもしれません。

作業を自動化しておけば、送信漏れを防げるだけでなく、予約の重複や見落としなどの受付時のミスも防げるので、お客様にも店舗にもメリットがあります。
予約を一元管理できる予約管理システム「かんざし」

多彩な分析機能で美容室の現状を把握しやすい

「サロエボ」には、多彩な分析機能が搭載されているため、美容室の現状を簡単に把握できます。

お客様の来店記録、利用した施術内容、購入した商品などの情報はPOSレジを通して自動で集計、データ化されるため、接客に役立てられます。

また、ABC分析やクロス分析などで、店舗の状態を詳細に分析することができます。担当者別売上月報や技術・商品別売上月報を使えば、スタッフの状況に合わせて適切な課題設定やカウンセリングが可能になります。時間と手間をかけずに、美容室運営に必要な情報を得られる「サロエボ」は美容室オーナーにとって心強い味方になってくれるでしょう。

サロン特化型のPOSシステム「サロエボ」

電子カルテとの連携でお客様に最適な施術メニューを提案

さらに、電子カルテ「ビューティパレット」と「サロエボ」を連携すれば、お客様に最適な施術メニューを提案できます。

カルテは、お客様の基本情報、来店履歴、施術履歴、体質、悩みなどを記録する重要なものです。「ビューティパレット」は手書きが可能な電子カルテなので、情報入力の手間がかかりません。絵を使った感覚的な情報を記録したり、画像を取り込んで施術前後の様子を記録したりできるため、より詳細な情報を残せます。

さらに、POSシステムとも連動しているので、来店履歴や施術履歴は自動で記録されます。電子カルテのため、それらの情報の検索、閲覧が簡単にでき、お客様情報を確認して最適な施術メニューの提案が可能になります。

美容室・サロン専用の電子カルテ「ビューティーパレット」

まとめ

この記事では、美容室の売上の現状や、美容室の売上アップの方法、利益アップの方法について解説しました。

美容室の数は増え、日本の総人口は減っていることから、美容室業界の競争はどんどん厳しくなっていくことが予想されます。そのような状況で、店舗の売上を確保するには、セットメニュー販売や商品販売などの「客単価アップ」とリピーター獲得などの「来店客数アップ」に力を入れる必要があります。

また、売上対策だけではなく、業務を効率化し利益を増やすことも美容室経営には重要です。売上対策、利益対策のどちらにおいても、電子システムの導入が有効です。

美容室経営を安定・成長させるために、「サロエボ」の導入をご検討ください。

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サロエボ
サロエボは、今までバラバラだった経営・接客・販促などのサロン業務を完全一元管理できる、サロンに特化したPOSシステムです。

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